個人制作作品
ミステリ
ある文章の告発

ミステリ 中編80p 執筆時期:2010.5
“私は犯人を告発する文章である。それは私の持って生まれた使命である。”
轢き逃げ犯人告発のためにこの世に書き落とされた「文章」。
文章の書き手は、どう生きていいのかわからず堕落し、強請りに身を落としたどうしようもない男だった。それは己の身体に、生きる目的である文面を持っていないからだと、まだ若い文章は考えていた。
文章は、口封じされてしまった書き手の代わりに、犯人の罪を世間に知らしめようと、様々な人間たちに己の文面を訴えていく――!
「文章」の生まれてから死ぬまでのお話。
文章の文面は人の心に届いて、犯人を逮捕できるのか!?

「文章」が語り部の変格ミステリです!
宮部みゆき先生の著作のなかに、「財布」が語り部の『長い長い殺人』という作品があり、影響を受けたのだと思います。
主人公の文章はいろんな読者に読まれていくのですが、子供に読まれたときのエピソードに、児童書書きの片鱗を感じますね。
SIDE:A 表と裏と奥 SIDE:B 嘘つきは内定のはじまり
ミステリ 中編 70p, 100p 執筆時期:SIDE-A 2009.11, SIDE-B 2010.6
新卒の就活担当人事の〝私〟の仕事は、学生の情報をネットで検索することだ。
面接の場ではいい顔をしておきながら、ネット上では暴言だらけの学生たち。
嘘ばかりの仕事に虚しさを感じていた私は、ある日ネットで就活生の殺人予告を見つける。
『人を見通すのが私の仕事。面接で言葉をやりとりし、彼らの真意を掴むのだ』
勝負の場は――面接室。


大のニガテだった就活をモチーフに、「面接でウソをつく犯人 VS 見破る人事」というミステリにしました。
SIDE:A を書いたあと、全面リライトした別バージョンをSIDE:B として書き下ろしました。
SIDE:Aは王道、SIDE:B は邪道。犯人もテーマもまるっと変えています。



