針とらのBLOG | 針とらBOOKShttps://books.haritora.jp児童書作家・ 針とら の著作紹介サイトSat, 12 Jul 2025 23:54:11 +0000jahourly1https://books.haritora.jp/wp-content/uploads/2025/06/cropped-針とらロゴ03-32x32.png針とらのBLOG | 針とらBOOKShttps://books.haritora.jp3232 🔍️『マイクラ 小説』 👈️寄ってかない…?https://books.haritora.jp/blog/why_i_created_the_site/https://books.haritora.jp/blog/why_i_created_the_site/#respondMon, 30 Jun 2025 06:42:26 +0000https://books.haritora.jp/?p=2328

ここのところしばらく、自分のウェブサイトの強化に乗り出している。 きっかけは、『ぼくたちのマインクラフト冒険記』を出すにあたって、こう思ったことだった。 試みに無料のツールで調べてみたところ、『マイクラ 小説』というキー ...

The post 🔍️『マイクラ 小説』 👈️寄ってかない…? first appeared on 針とらBOOKS.

]]>

ここのところしばらく、自分のウェブサイトの強化に乗り出している。

きっかけは、『ぼくたちのマインクラフト冒険記』を出すにあたって、こう思ったことだった。

『マイクラ 小説』って検索するユーザーがいたら、こんな小説出るよ! って伝えたいなぁ…。

試みに無料のツールで調べてみたところ、『マイクラ 小説』というキーワードは、月に約1600回ほど検索されていた。
『マインクラフト 小説』は、約880回。
あわせて、月に約2500回。

ユニークユーザーはもっと減るだろうが、関連するワードを含めるともっと増えることを考えると、月に2000~3000人の人たちが、『マイクラ 小説』『マインクラフト 小説』のようなキーワードで検索しているわけである。
(ちなみに『マイクラ』は100万、『マインクラフト』は37万なので、桁が違うんだけど)

「この2000~3000人に、僕の書いた小説の存在を知ってもらいたい!」

そう考えた。

とはいえ、はじめに考えたのは、出版社のページの露出の方だった。
SEO(Search Engine Optimization = 検索エンジン最適化)施策を打って、『マイクラ 小説』と検索されたときに、出版社の作品ページが上位に表示されるようにできれば、ユーザーに知ってもらえるはずだろう。

それで出版社のサイトのページ構造を見はじめたのだが。
すぐに気づく。
作家が出版社のサイトに口を出すのはヘンだろう。作家は出版社の社員ではなく、一取引先にすぎない立場だ。宣伝のためとはいえ、企業のサイトにこまかい要望を出すのは筋違いに思える。
くわえて、企業の公式ページというものは多くの場合、社内で作っているのではなく、制作を外部のベンダーに出しているものだ。SEO対策をしようと思ったら、そことツーカーでなくてはならない。無理にきまっている。組織を越えてこまかなやり取りをすることのむずかしさは、僕も元大企業のサラリーマンだったので重々承知している。

……ということで、いったんは、あきらめたのだけれど。

ためしに『絶望鬼ごっこ』を調べてみて気が変わった。
月に約2900回ほど検索されていたのだ。
……『マイクラ 小説』より多いじゃん。完結してもうすぐ1年経つのに。

『針とら』も調べてみた。月に320回ほど検索されていた。
愛じゃん。この人たちはもう、僕の恋人じゃん。

『絶望鬼ごっこ』と検索してくれるユーザーに、『針とら』と検索してくれるユーザーに、僕の新作の存在を伝えたい。
『ぼくたちのマインクラフト冒険記』と『神絵師のノート!』の存在を伝えたい。

そんなことを考えていて、ようやく気付いたのだ。
そうか、作者横断的な宣伝は、自分でしなければ誰もしてくれないじゃん。

もちろん、出版社は本の宣伝をしてくれる。とてもありがたい。
だけど、それは、至極あたりまえのことなんだけど、「その出版社から出した本」の宣伝にかぎられるのだ。
絶望鬼ごっこのファンに、小説入間くんや神絵師のノートの存在を知らせることはできないし、逆も真なり。

それを知らせることができるのは、僕しかいないじゃん…と

そんなわけで、出版社のページの露出を高めようだなんて、他力本願な考えはやめた。
自前でページを構築することにした。
ドメインを新規で取得して、Wordpressやプラグインの勉強をして、一からサイトを構築していく。
そうして作ったのが、このサイト。

針とらBOOKSなのである…!

……まあ、SEOについて調べるほどに、企業のドメインパワーにはそうそう勝てないなぁ、という感じはあるのだけれど。
ドメインを新規で取得したばかりの被リンクもないサイトを、Google先生は検索エンジンの上の方に表示してくれないのである。metaタグをはじめ構造的なSEO対策は打ったけど、焼け石に水な感じがある。Google先生の信用を勝ち取るには、たとえうまくいったとしても、半年以上はかかるだろう。

じゃあそれまで『マイクラ 小説』と検索したユーザーに、『絶望鬼ごっこ』と検索してくれたユーザーに、新作の存在を伝えられないのか…?

…いやいや。
あるじゃねえか、これがよ…。

検索広告画像

……まあ、このへんの話は長くなるのでまたの機会に。

デビューしたころ、「児童文庫のファンはシリーズについて、作家にはつかない」みたいな話を聞いた。
それはおそらく事実なんだと思う。

でも、「じゃあ、ついてもらうためにはどうすればいいんだ?」ということを考えてみたときに、そのための試行錯誤の1つとして、こういうやり方もあるかな、みたいな感覚でやってみている次第である。

ともあれ、今後とも針とらの作品をよろしくお願いします。

The post 🔍️『マイクラ 小説』 👈️寄ってかない…? first appeared on 針とらBOOKS.

]]>
https://books.haritora.jp/blog/why_i_created_the_site/feed/0
職種:世界征服/世界滅亡推進業務https://books.haritora.jp/blog/blog-pos-17/https://books.haritora.jp/blog/blog-pos-17/#respondFri, 13 Jun 2025 23:26:47 +0000https://blog.haritora.jp/?p=71

この前子供向けの小説を書いていて、世界征服について迷った。はじめは適当に、世界征服か世界滅亡を企む敵キャラを主人公たちが倒す話にしよう~と思って書き始めたんだけど、いざ敵キャラを出す段になって、なんで世界征服したいのか全 ...

The post 職種:世界征服/世界滅亡推進業務 first appeared on 針とらBOOKS.

]]>

この前子供向けの小説を書いていて、世界征服について迷った。
はじめは適当に、世界征服か世界滅亡を企む敵キャラを主人公たちが倒す話にしよう~と思って書き始めたんだけど、いざ敵キャラを出す段になって、なんで世界征服したいのか全然決めてなかったことに気付いてしまった。

なぜ世界征服したいのか。

考えてみれば、僕、29年間生きてきたけど、一度も本気で世界征服したいと思ったことない。
そりゃあ中学のときは将来の夢の紙に世界征服って書いたりもしたけど、これは幼稚園児が将来の夢に宇宙飛行士と書くようなもんで、そんなに征服したいわけでもなかった。
なんで世界征服したいのかわからないので、どうにもキャラが固まらない。

そんなわけで、面接してみることにした。
以下の感じで。

—————————————
職種:世界征服/世界滅亡推進業務
期間:原稿用紙230まで
定員:若干名
時給:要相談。社会保険完備。成果によって報酬有。
備考:子供向け小説の悪役キャラのお仕事です。アットホーム、明るく楽しい職場です。経験者歓迎。やる気のある人募集。
—————————————


世界征服業ってわりと人気あるのか、結構応募者はあった。
それでそれぞれに志望動機を訊いてみたんだけど、なんかピンとくるのがない。

やっぱり多いのが、「人間が憎いので人間を滅亡させたいです」ってタイプ。
もちろん、「どうして人間が憎いの?」って訊くんだけど、どうもピンとこない。

まず地球環境を愛する悪役さんたち。
でも、「人間は自然を壊し、生態系を破壊する。人間は悪だ!」って言われても、なんかピンとこない。
エコロジーを気にするあまりに人間憎しになった系って、なんか陳腐なんだよな。
就活本にでも載ってんじゃねえの? っていうくらいありふれている。
そういうテンプレ人材が欲しいとこもあるんだろうけど、僕んとことは合わないなと。

次にトラウマを抱えなさる悪役さんたち。
「過去に人間に酷いことをされた! 人間なんか滅ぼしてやる!」

そこはもちろん、「どんな酷いことされたの?」って訊くわけなんだけど、「身内を殺された」「迫害された」とかこれもわりと似たり寄ったり。
エコロジーな悪役たちと違って、このタイプは描きようによっては、きちんと厚みを出せると思うんだけど、でも原稿用紙の分量が分量だし、そんな暇ないんだよなぁ。
それに過去のトラウマ話聞いてても、正直あんま面白くないというか。
飲み会とかで、
「ちょっと俺、世界滅亡させようかと思って」
「え、どうしたん? 何かあったの?」
ってなったときに、
「俺、十年前に子供人間に殺されてさぁ」
とか言われたら、あ、そうなんだ、大変だったんだなぁ、としか言えないじゃん。
俺としてはこう、盛り上がりたいんだ。
「世界滅亡さしてやるぜ! 人間とか大嫌いでよ! 昔っからの夢だったんだ! さよなら人類!」みたいにこられたら、「おう! 乾杯!」って感じになるし、そういう酒を飲みたい。
でもなんかこう、ズーンとなっちゃうような感じの方が多くて、んー、なんかいまいちだなーと。

次に、人間が憎いわけじゃないけど人間は愚かなので以下略の悪役さんたち。
「人間は下等生物なので、我らが支配しなければいけない/殺して構わない!」
んー、なんかこれも就活本そのままじゃねーっていう感じがしてなあ。
トラウマ話で暗くなるわけでもないし、子供向けとしていい気はするんだけど、
「以前はどこにお勤めでした?」「ドラえもんのび太と鉄人兵団です」「ドラえもんのび太と魔界大冒険です」「ドラえもんのび太の日本誕生です」「あ、もういいです。わかりましたわかりました」みたいな感じで、なんかこう。
なんかキュンとこない。俺も世界征服したいしたい!ってなる子がいない。
もっと違う子いないの、っていう。


そんなわけで選考は難航を極めた。なんかいまいちピンとこない。
世界征服系の名悪役といえば特務の青二才ことムスカさんだけど、「どうして世界征服したいの?」って訊いても、「ラピュタの復活こそ人類の夢だからだ」ってしか答えないだろうし。
つまり舞台設定と密接に関わってないと魅力生まれなくない? ということであって。 
でも舞台決めちゃってるし進行決めちゃってるし枚数余裕ないし。
そもそも若干名募集なので部下とか軍隊とかあげられないことに気づいて。
「あ、世界征服って一人でできますか」って言ったら、「できるかんなもん!」「偉そうにしくさってそんなことすら考えてなかったんかい!」「帰らせてもらうわ!」と大ブーイング。


そんなわけでみんなほとんど帰っちゃったので、最終的に残っててくれた山羊さんに依頼しました。

「あのう、すみません。一人で世界征服できますか」
って訊いたら、
「何を言っている? 征服などせずとも既に世界は我が手中にあるのだが」
って答えてくれたので、あ、そうか、そうだよね、気は力だよね、ということで決定。

わりと最後まで引っ張ってもらいました。
完成させれたのは山羊さんのおかげです。ありがとう山羊さん。

ブログを整理していたら、『神絵師のノート!』の前身になる小説を書いたときの雑記が埋まっていたので掘り起こしてみた。

…悪役キャラ考えるの楽しいよね。

The post 職種:世界征服/世界滅亡推進業務 first appeared on 針とらBOOKS.

]]>
https://books.haritora.jp/blog/blog-pos-17/feed/0
ぼくたちのマインクラフト冒険記 伝説のクラフター、爆誕!https://books.haritora.jp/blog/minecraft_adventure_announce/https://books.haritora.jp/blog/minecraft_adventure_announce/#respondMon, 09 Jun 2025 07:23:58 +0000https://blog.haritora.jp/?p=1108

『ぼくたちのマインクラフト冒険記 伝説のクラフター、爆誕!』(ポプラキミノベル) 6/18発売です! 動画でも映画でも世界中で大人気のゲーム、マインクラフトが、児童文庫になりました!これまでもマイクラの小説はあったんだけ ...

The post ぼくたちのマインクラフト冒険記 伝説のクラフター、爆誕! first appeared on 針とらBOOKS.

]]>

ぼくたちのマインクラフト冒険記_表紙

『ぼくたちのマインクラフト冒険記 伝説のクラフター、爆誕!』(ポプラキミノベル) 6/18発売です!

動画でも映画でも世界中で大人気のゲーム、マインクラフトが、児童文庫になりました!
これまでもマイクラの小説はあったんだけど、ぜんぶ海外小説の翻訳版だったので、日本の子どもたち向けにもっと敷居が低く読めるものがあったらいいよね、ということで担当さんと話していて実現した企画になります。

マイクラ世界にワープしてしまった小学生の主人公が、オーバーワールドでできた仲間たちといっしょに、特殊能力『クラフト』でヒミツ基地(セキュリティハウス)をつくって、盗賊団と戦うお話です!

「マインクラフトでクラフトをするときって、実際にはどんな感じなんだ…?」
っていうのをいっぱい想像しながら書いたので、小説ならではのマイクラワールドを味わってもらえるとうれしいです。
マイクラが好きな子も、やったことないよって子も、どちらも楽しめるように書いたつもりなので、いろんな子に読んでもらえるとうれしいぞ。

よろしく!

The post ぼくたちのマインクラフト冒険記 伝説のクラフター、爆誕! first appeared on 針とらBOOKS.

]]>
https://books.haritora.jp/blog/minecraft_adventure_announce/feed/0
針とらの著作紹介サイトhttps://books.haritora.jp/blog/%e9%87%9d%e3%81%a8%e3%82%89books/https://books.haritora.jp/blog/%e9%87%9d%e3%81%a8%e3%82%89books/#respondSun, 01 Jun 2025 10:56:28 +0000https://blog.haritora.jp/?p=1012

針とらの著作紹介サイトをつくりました。 まだ新刊の『神絵師のノート!』と『ぼくたちのマインクラフト冒険記』しかつくってないんだけど、おいおい『絶望鬼ごっこ』や『小説 魔入りました!入間くん』ほか、著書の情報をまとめていき ...

The post 針とらの著作紹介サイト first appeared on 針とらBOOKS.

]]>

針とらの著作紹介サイトをつくりました。

まだ新刊の『神絵師のノート!』と『ぼくたちのマインクラフト冒険記』しかつくってないんだけど、おいおい『絶望鬼ごっこ』や『小説 魔入りました!入間くん』ほか、著書の情報をまとめていきます。

ここはBlogとして残しつつ、針とらの作品の情報まとめは上のサイトにいろいろそろえていくつもりなので、チェックよろしく!

The post 針とらの著作紹介サイト first appeared on 針とらBOOKS.

]]>
https://books.haritora.jp/blog/%e9%87%9d%e3%81%a8%e3%82%89books/feed/0
神絵師のノート! 絵から生まれたモンスターhttps://books.haritora.jp/blog/kamieshi_note_announce/https://books.haritora.jp/blog/kamieshi_note_announce/#respondTue, 11 Mar 2025 03:15:04 +0000https://blog.haritora.jp/?p=975

『神絵師のノート! 絵から生まれたモンスター』(ポプラキミノベル)3/12に発売されます! こんなお話です! あらすじ キャラ紹介 のんびりやな小学生タカトと、元・画獣最強の戦士ウルファがバディになって、ああだこうだケン ...

The post 神絵師のノート! 絵から生まれたモンスター first appeared on 針とらBOOKS.

]]>

神絵師のノート!_表紙

『神絵師のノート! 絵から生まれたモンスター』(ポプラキミノベル)
3/12に発売されます!

こんなお話です!

あらすじ

神絵師のノート_あらすじ

キャラ紹介

神絵師のノート_キャラ紹介ページ

のんびりやな小学生タカトと、元・画獣最強の戦士ウルファがバディになって、ああだこうだケンカしてるお話です!(?)

絵が好きな子や、ポケモン・デジモン・妖怪ウォッチなど、モンスターと友達になる話が好きな子はぜひにッ!!

 1話まるまるためし読みやってるよ!

The post 神絵師のノート! 絵から生まれたモンスター first appeared on 針とらBOOKS.

]]>
https://books.haritora.jp/blog/kamieshi_note_announce/feed/0
『神絵師のノート!』誕生裏話https://books.haritora.jp/blog/kamieshi_note_1_anouuncement/https://books.haritora.jp/blog/kamieshi_note_1_anouuncement/#respondSat, 01 Mar 2025 14:00:30 +0000https://books.haritora.jp/?p=1577

3月12日に発売された、新作『神絵師のノート!』についての裏話。 児童文庫ってなんじゃらほい?子供が好きなもの……ポケモンとデジモンや!男の子はモンスターとバディになるのが大好きなんやーッ! ……と思って13年前に書いた ...

The post 『神絵師のノート!』誕生裏話 first appeared on 針とらBOOKS.

]]>

3月12日に発売された、新作神絵師のノート!についての裏話。

児童文庫ってなんじゃらほい?
子供が好きなもの……ポケモンとデジモンや!
男の子はモンスターとバディになるのが大好きなんやーッ!

……と思って13年前に書いた作品が原型になっています。
そう、デビュー前だよ!
もちろん、中身はデビューしてから学んだことを活かしていて、当時書いたものとは別物なんだけど、主人公二人の関係性だけは変わっていません!

デビューしてから機会を窺いつつも、「この企画を通すのはさすがに無理だろうな~…」と、半分あきらめていたのだけど。
キミノベルの担当さんとはじめてお会いしたときに、モンスターファームが好きだったというお話を聞き、よし、この人をだまくらかしてと二人三脚でやるぞ…! と自分の中で勝手に決めて……さらに4年
ようやく世に出すことができて、感慨もひとしおです。
担当のM田さんとキミノベル編集部の皆様には、最大の感謝を…!🙇‍♂️

『デビュー作にはその作家の全てが詰まっている』
とはよく言われる言葉なんだけど、僕のデビュー作は、商業出版に合わせるのにいっぱいいっぱいだった感が強くて、自分が詰まってるか? といわれると、いまひとつピンとこなかったりします。
2作めの『絶望鬼ごっこ』の方が、自分らしい作品ではあって。

そういう意味では、この神絵師のノート!が一番、自分らしさの詰まった作品かもしれません。

そんなわけで、デビュー11年めにして、デビュー作を出すような気持ちでおります。
続きが出るかどうかは売上次第……といういつものあれですが、1冊でもしっかりとまとまったお話になっていますので、ぜひぜひお手にとってみてくださいませ! よろしく!!

The post 『神絵師のノート!』誕生裏話 first appeared on 針とらBOOKS.

]]>
https://books.haritora.jp/blog/kamieshi_note_1_anouuncement/feed/0
チョイ裏話!(12~15巻)https://books.haritora.jp/blog/zetsuoni_inside_story2/https://books.haritora.jp/blog/zetsuoni_inside_story2/#respondFri, 03 Jan 2025 03:46:20 +0000https://blog.haritora.jp/?page_id=948

無料キャンペーン中にXでつぶやいていた、チョイ裏話を公開してるよ!ネタバレも混じってるので注意! 12巻『あやつられた地獄中学校』のチョイ裏話!   大翔たちもいよいよ中学生! 章吾も戻り、鬼とは無縁の平和な生 ...

The post チョイ裏話!(12~15巻) first appeared on 針とらBOOKS.

]]>

無料キャンペーン中にXでつぶやいていた、チョイ裏話を公開してるよ!
ネタバレも混じってるので注意!


12巻『あやつられた地獄中学校』のチョイ裏話!
 
大翔たちもいよいよ中学生! 章吾も戻り、鬼とは無縁の平和な生活を楽しんでいたけれど…? ということで、第二部開始巻です!
 
第二部をどうしようか迷っていた所、編集長から「大翔たちに、より大きな目的を持たせてはどうか」と提案が。
「よっしゃ! じゃあ第二部20巻まで、第三部25巻まで!」と、大風呂敷を広げてはじめることになりました。
実際には第二部と第三部は混ざりましたが、おおむね想定どおりに進行していますね。
 
そんなわけで第二部は、物語の作り方も変えています!
第一部では、書いている巻と、せいぜいその次の巻のことしか考えずに書いていたのだけど、 第二部では、第三部の遠いゴールへ向けて、物語全体がゆっくりと進んでいくように、でも各巻でも山場が出るように構成しています!
 
10冊以上、5年もかけて描く物語は、読者が入れ替わっていく児童文庫向けではないのですが……第一部とはちがったことをやりたかったので!
なので第二部は、物語開始時点ですでに水面下でいろいろなものが動きだしており、巻を追うごとに皮を剥くように、それらが見えてくる作りになっています。
 
ということで、第12弾では、新キャラがたくさん登場するよ!
全員、背景を持っていますが……一番先にそれがわかるのは、我妻総一朗だ!
総一朗は、はじめは、「大翔たちの先輩になる、鬼祓いのプロみたいなキャラがほしいな」と思って登場させました。
 
ただ、「第一部で大翔たちが成長したから、読者と等身大で鬼を怖がってくれるキャラもほしいな…」とも思い。よし! 合体させちゃえ! ということで、「鬼祓いの家の末裔で、先輩みたいに振る舞うんだけど、実際は鬼を見たことがなく、ビビリでメンタル弱い男の子」になりました。総一朗ごめん…!
 
第二部では、大翔に、家族や友達だけでなく、その外側にあるいろんなものに目を向けて成長してほしいな…と思っていました。そうでないと、第三部の展開を支えきれないので。 (最新刊をお読みの方は、第三部としてどういうものを想定していたかわかるでしょう…)
 
総一朗は、力はないけれども、大翔にはない道義心と責任感を持っている。その広い視野で、大翔を成長させてくれるんじゃないかな…と、期待して登場させたのでした。
実際どうだったのかは…どうなんだろうな…。まぁおまえは頑張ってるよ、総一朗(何)
 
ちなみに、光哉が好きという読者の声はよく聞くけれど、総一朗は一切聞きません…! 同時期に登場したのに…!
大人の女性にばかり好かれている印象があります…。うん、縁の下の力持ちの良さは、小学生には早いよね…。でも結婚すると一番幸せにしてくれるのは、たぶん総一朗だよ…。小学生…。
 

13巻『とらわれの地獄村』のチョイ裏話!
 
あたらしい友達たくさんできたけど、まだまだ固いな! みんなで遊びにいっといで!
そんな巻になります! もちろん襲われます!🧟‍♂️
 
‍そんなわけでこの巻では、旅行に出た大翔たちが、奇妙な「村」に迷いこんでしまいます。
当初イメージは「犬鳴村」などの村ホラージャンル! 閉鎖的でじめっとした空気の村のなか、いわく恐ろしい因習があったり、カルト集団が跋扈してたり…恐ろしい事態に巻きこまれる! みたいなイメージでした。
 
実際に書いてみると登場したのは…
「ラジオ体操を日課にしている健康志向のミイラ男、木乃伊さん!」
「目玉がすぐに転がっていってしまう、腐った死体の不死原さん!」
「熱狂的“死”信奉者のガシャドクロ、鹿羽根村長!」
どうしてこうなった! 針とらにJホラーの湿った空気は無理だったんや!
 
彼ら、自分たちをモデルにした土産ものまで作って村興ししてるんですよね…。死んでるのに陽気すぎやろ…。ホラーて…ホラーて言うてるのに…。
 
さて、中学校編から登場したキャラのうち、12弾では総一朗に、13弾では「結城光哉」にフィーチャーしています!
光哉は第二部のキーキャラクターで、裏の主人公ともいうべきキャラ。
コンセプトは、「もうひとりの大翔」。
その意味は語りませんが、最新22巻『かなしき鬼との約束』でようやくそこへたどり着けました…。
 
光哉は描くのがむずかしくて、めちゃめちゃ苦労しています。特に第二部はじめのころは、仲間にウソをついたり煙に巻くところが多く、光哉の主観の世界と、大翔や読者から見た世界を複眼にして書くのが、とても大変だった記憶。
 
13弾でも、光哉は「自分も小学校で鬼ごっこに巻きこまれた」というヒミツを明かしてくれますが、これは信頼を得るために用意していたスケープゴートとしてのヒミツで、心を許して言っているわけではありません。 大翔はそのへんすぐに気を許しちゃうんで、光哉は逆に戸惑ってしまっています。
 
…といった諸々が大翔目線だと見えにくいので、読者から光哉のキャラがどう見えているのか、かなり不安に思いながら書いていました。 仲間にウソをつかなくなったあとも、自分にもウソをついていて、なかなか核の部分を見せない…。
最新刊でようやく、ちゃんと話してくれたかな…という感じですね。
 

14巻『開かれし鬼の門』のチョイ裏話!

今巻は、大翔たち子供チームと、紫鬼たち鬼チームの、結界石争奪戦が開幕する巻になります!

第一部では意図的に、「鬼はどこからやってくるのか、その意図は?」といった点には触れませんでした。
元々の着想が、「児童書でデスゲームやってみよう!」だったからですね。(当時はなかったんだってば!)
ゲームが大事なのであって、主催者の意図や正体はまぁいいじゃん、というスタイルです。

第一部でそれはやりきったと思ったので、第二部では、主催者(鬼?)の正体を明かした上で、「地上と地獄をつなげる通り道を、再封印できるか? / 邪魔できるか?」、子供たちと鬼たちで競争する物語に舵を切りました。

そんなわけで14弾では、大翔たちの大先輩として、キーチという男の子が登場します。彼も小学校で鬼ごっこに巻きこまれていますが、1巻での大翔たちとはちがった運命をたどっていたようです。キーチに使命を託されることで、大翔たちは動きはじめます。

そこにあらわれるのが、鬼たちの総大将・紫鬼。12弾、13弾では名前だけだったのが、この巻で満を持して登場します。鬼なのに会社を経営し、いつも忙しそうにしている、スーツとネクタイに身を包んだ、イケメンエリートビジネスマン。みもりさんの描く紫鬼はダンディです…。

ちなみに第二部開始当初の紫鬼の姿のイメージは、「メガネをかけたオオトカゲ」でした。さすがに会社を経営するなら人間形態になってもらわにゃ…ということで変えていますが、部下の腕輪の模様がトカゲだったり、鬼化後に爬虫類っぽいのはその名残です。

紫鬼のコンセプトは、「人間の大人みたいな鬼」。黒鬼のように悪戯心などはなく、計画的に粛々と行動する鬼です。おかげで大翔たちからなかなか敵の手のうちが見えず、作者としては困りましたが……巻が進むうちにだんだんと、彼の恐ろしい計画も浮かびあがってくるのでお楽しみに!

ちなみに紫鬼は、人間に鬼の存在がバレないようかなり注意して行動しており、大翔たちと会うのに道路封鎖したり、事後は警察への通報まで確認しています。警察への通報の確認? どうしてそんなことができるかは…18巻『信じてはいけない地獄警察』をお読み下さい!

また、紫鬼の経営するホールディングスの傘下には、都市計画にたずさわる企業が多く、
「子供のための住みよい街づくり計画」
「桜ヶ島タワー(電波塔)の建設」
「街のゆるキャラ『ぱくぱく様』の企画考案・グッズ販売」
「育児に悩む親たちを支援する組織『紫の会』への出資」
など、桜ヶ島市と組んでいろいろな事業をやっています…!
このころの紫鬼はそのために、分刻みのスケジュールで大忙し!
そうした地道な努力がどう実を結ぶかは、20巻『街をむしばむ地獄計画』、21巻『街をとりもどす地獄革命』をお読みいただければ…!

まぁ、紫鬼がやらんとしてるのは、ようは理想のための「国盗り」で、そのために、「進軍ルートの確保(鬼門の解放)」 「前線領土(街)の確保」 「必要な食糧(子供)の調達と管理」 を一気通貫でしようとして行動しているのですね。 桜ヶ島を確保した上で、霞ヶ関に侵攻しようとしています。

そのへんは、「子供の冒険を描く」という児童書の範囲から外れないよう、大翔や光哉たちの目線からはわからず、断片のみ見えるようになっています。ちなみに紫鬼は孫子の「兵法」で戦略の考え方を学んでいるのですが、20巻で章吾たちが発見した紫鬼の本棚を見てみると…? 本棚には人物が出ます!

そんな有能な紫鬼なのですが、ゆいいつ苦手なのが、「ネクタイを結ぶこと」! なぜ人間はこんなものを着けるのか、ぶつぶつ文句を言っています。しかし最新22巻では、ついにネクタイの便利さに気づいたらしい! いったいどんな使い方!? 『かなしき鬼との約束』にてぜひ!


15巻『うらぎりの地獄美術館』のチョイ裏話!

『知力、忍耐力、運、運動能力』を試すそれぞれのゲームで、子供チームと鬼チームが、選手を出しあって勝負するお話です!

この巻は、人喰い鬼との追いかけっこというより、まさしくゲームの巻になります。部屋ごとにテーマが設定されており、ゲームのルールが説明されて、選手を出して勝負して、勝てば次の部屋へ進むことができる。最後の部屋までたどり着けばゴール! 幽遊白書の四次元屋敷の影響を受けていますね。

この巻の鬼としてだれを派遣するか、紫鬼は結構悩みました。部下のXと組ませた鬼たちの、モチベーションの低さに悩んでいたのです。愚鬼は勝手に人間食べようとしてるし、不死者は自分たちのやりたいことやってるし、狼頭鬼も命令された仕事をただこなしている、といった様子で。 鬼の…下請け化…!

これは紫鬼が忙しすぎて現場をXに任せきりにしていることや、Xが人間なので鬼たちに舐められていたり、紫鬼に優遇されていることへの反発があったりと……いろいろ複雑な事情があったりします。 組織運営というのは大変なのね…😓 紫鬼もちょくちょく愚痴っていたりします…。

そこで事態を打開するべく、紫鬼は青鬼から人材をスカウトしました! そうしてやってきたのが今巻の敵キャラ……『青髭男爵』だ! 色の名前を冠されているのは、色鬼に認められた一流の人材の証だぞ!
「一流の鬼とは、あつかいづらさもまた、一流なのでございます」
あ、こいつもダメそうだ!

そんなわけで青髭男爵は、登場早々、「命令なんてどうでもよろしい」と言い放ち、自分の趣味である『子供との命を賭けたゲーム』を開始したのでした。…かわいそうな紫鬼! でも、自分の楽しみを優先しつつも、最終的にはきちんと仕事もこなしているあたりは、結構オトナな鬼ですね(?)

青髭男爵は、ゲーム狂。黒鬼のように相手が追い詰められるのが好きなのではなく、ゲームというものそれ自体へ偏執的な興味を抱いている「行き過ぎた求道者」です。ゲームがより高みに昇華されるためなら、自分の命も含めたすべてのものを小道具にします。

こうした行き過ぎた求道者には、生まれつきではなく、人間から鬼になったタイプが多く、9巻の『叉鬼』もそうだったりします。 彼は狩りの理想を追い求め、他人の命すらそのための背景と見なすようになって、鬼となりました。くわしくは『ねらわれた地獄狩り』にて!

ちなみに青髭男爵はこの巻だけでなく、渋谷スクランブル交差点のオーロラビジョンを乗っ取って、都内全域を使ったゲーム勝負もしかけてきます。 渋谷、原宿、秋葉原、そして東京タワーを使ったゲーム勝負については、19巻『招かれざる地獄ハロウィン』をお楽しみください!

The post チョイ裏話!(12~15巻) first appeared on 針とらBOOKS.

]]>
https://books.haritora.jp/blog/zetsuoni_inside_story2/feed/0
チョイ裏話!(1~7巻)https://books.haritora.jp/blog/zetsuoni_inside_story1/https://books.haritora.jp/blog/zetsuoni_inside_story1/#respondThu, 26 Dec 2024 02:33:29 +0000https://blog.haritora.jp/?page_id=920

無料キャンペーン中にXでつぶやいていた、チョイ裏話を公開してるよ! ネタバレも混じってるので注意!  

The post チョイ裏話!(1~7巻) first appeared on 針とらBOOKS.

]]>

無料キャンペーン中にXでつぶやいていた、チョイ裏話を公開してるよ!
ネタバレも混じってるので注意!

 


1巻『とざされた地獄小学校』のチョイ裏話!

和也と孝司ですが、じつはプロット段階では出ていません。最初の犠牲者として登場する、その場かぎりのキャラのはずでした。書いてみたら、なぜか章吾と一緒に漫才をはじめたので、そのまま2巻以降も章吾にまとわりつくことに…。そのまま20巻以上経った今も出てくる準レギュラーになったとさ…

ちなみに章吾の方はプロット段階で出ていましたが、初期プロットでは、嫌なやつ――マルフォイポジションでした。
でも僕が嫌なやつを書くのが苦手で考えあぐねていたら、打ち合わせで「もういっそ一緒にキックじゃね!?」というノリに…。良きライバルキャラになったのでした。

1巻といえば、牛鬼が大翔たちを追いかけてくるときに歌ってる替え歌は、はじめは「うさぎとかめ」ではなくて、「森のクマさん」でした。(アルーヒ- モリノナカ- オニサンニ- デアァッタ-)
権利関係でちょっと微妙だったので差し替えたのだけど、作者が1巻で一番自信があったのがその「牛鬼の森のクマさんミュージカルシーン」だったので、結構ショックだった記憶。
鬼さんの〜 言うことにゃ〜 お嬢さん〜 お逃げなさい〜 に葵が返答で歌ってノリツッコミしてたの…。…うん、なんだそのホラー小説…。

そして、ツノウサギもプロットには出ていません…というか、初稿段階では鬼たちも、替え歌を歌ったりしない、ホラークリーチャーっぽいやつらでした。
初稿を読んだ担当に「鬼のキャラ立てて」と言われた結果、鬼たちが歌いはじめ、ツノウサギがピョンピョンする事態に…。
担当は、「いや、こういうのは想定してなかった…」という反応だったのだけど、僕は「めっちゃ俺っぽい小説になった!」と手ごたえを感じたので、そのまま通させてもらったのでした。
ツノウサギがいなかったら今の絶望鬼ごっこはないと思うので、良かったなぁ…と。


2巻『くらやみの地獄ショッピングモール』のチョイ裏話!

なぜ2巻の舞台がショッピングモールになったかというと、ご存知、ゾンビ映画の古典「ゾンビ」(1978)の舞台が、ショッピングモールだからです! 担当がゾンビ映画好きで、ゾンビだ! → ショッピングモールだ! と(適当)。僕もいくつかゾンビ映画観てみたのだけど、血みどろ系はニガテかな~。

ちなみに「ショッピングモール」に決まる前は「修学旅行」でした。修学旅行に出掛けた大翔たちの前に、地獄の暗殺者・影鬼くんがあらわれ、人の影の中に隠れる彼を相手に、日暮れをタイムリミットに影踏みバトル! …怖くないということでボツになったのだけど、影鬼くんはあとの巻で出てきます。

今巻は、「ともかく怖くして」というオーダーでした。でも、実はこれって難しい。ホラー映画の続編が難しいのとおなじ理由で、続編になると怖さって減っちゃうんですよね。慣れるので。エイリアンのようにアクションに振ったり、SAWのようにどんでん返しに振ったり、怖さ以外の軸が必要だなと。

そんなわけで2巻では、「ギミックの面白さ」に振っています。どんなものでも出てくるショッピングモールバッグ、落下エレベーターでのクイズ大会、地下食品売り場でのタイムセール(お客は…)など、ショッピングモールを活かした賑やかさが特徴の巻となっています。

ちなみに、初稿でのクイズ問題は、出版時と全然ちがっていたり…。
せっかくなので、ちょっと抜粋します。↓↓

『問題です。マンガ“ドラゴンボール”で孫悟空が亀仙人から教わった技は――』

 大翔と悠は腰だめに手をかまえる。

『――かめはめ波ですが、孫悟飯がピッコロから教わった技は?」
「「魔閃光ッ!!」」

両手を額にかざしてから、2人でボタンを押しこんだ。

『問題です。“シャンデリア”って10回言って?』
「「「シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア!」」」
『では、童話で毒りんごを食べたのはだれ?』

 3人は声をそろえて元気よく拳をつきだした。

「「「シンデレラッ!!」」」

……うん。ボツでした。
こ、怖くしろって言ってんだろぉぉ!!


3巻『いつわりの地獄祭り』のチョイ裏話!

絶鬼ははじめ、シリーズを想定してなくて、1巻は1冊完結、2巻はとりあえずもう1冊、くらいのつもりで書いていました。 3巻から本格的にシリーズ化を意識し、キャラクターを掘り下げる巻となっています。

1巻が出たあと、予想外に「荒木先生どうなったん…?」という声が多かったので、この巻は、荒木先生の巻! となりました。 いなくなっていた先生が帰ってきたけど、前と様子がちがう…どういうことだ…? という謎を追っていく、ちょっぴりミステリホラーな巻となっています。

ちなみに杉下先生はプロットには登場しておらず、はじめはほんとに足をケガしただけの、体育の先生として登場していました…! 名字にあまり特徴がないのも、モブだったから…。当初は2巻につづいて青鬼くん(という名前はまだなかったんだけど)が出てくるのかなと思ってたんですよね。

それが、大翔が鬼から逃げてるシーンを書いてる途中、横槍がどうも陰湿で、「あ、これはほかに誰かいるわな…」と思って見回したら、ニコニコ笑って出てきた…という感じです。
「言われたからじゃなく、出てきたいから出てきただけ」。
登場時からそんな方でした。青くんは横入りされたのだ…(涙)

ちなみに荒井先生に取り憑いた赤鬼は、黒鬼とケンカして負け、罰ゲームのような感じで取り憑かされています。3巻時点では凶悪なのですが、もともとの性格はただのケンカ好き。長く荒井先生に取り憑いているうちに……とそのあたりの事情は、17巻 富士の樹海編にて!

ちなみに針とらが3巻で好きなのは、お神輿ワッショイのシーンです。彼らは、そこに鬼がいるとか子供が逃げているとか、そんな事情は知らんのです! ただ、江戸っ子漢の熱い魂でもって、神輿を回しているだけなのだ…!


4巻『ひとりぼっちの地獄遊園地』のチョイ裏話!

4巻と5巻はまとめて考えた話で、ざっくり「鬼の正体がバレるまで」と「鬼の正体がバレたあと」のお話になります。4巻は、バレるまで! ということでこの巻は、サスペンスの巨匠・ヒッチコックの、「テーブル下の爆弾」という考え方を用いて構成しています。
どういうことかというと、テーブルの下に隠された爆弾が、登場人物にも観客にも知らされずに突然爆発したら、一瞬のサプライズしか生じない。でも、テーブルの下の爆弾が、登場人物には知らされないが、観客にはあらかじめ知らされているとき、爆発までの間、サスペンス(どうなっちゃうの!?)が成立する…という考え方ですね。

なのでこの巻は、「読者にはあらかじめ鬼の正体が知らされているけど、大翔たちにはわからない」という組み立てにしました。「そいつ! 鬼そいつ…!!」という読み味にしたく。 もう児童書ということは忘れているな…。

なので、「主人公たちには、あなたのことはヒミツにしててね…」と鬼に頼んだら……あの御方、調子にのりはじめやがってですね…。隠してることにウキウキしたのか、子供を騙したり弄ぶのが楽しくてたまらない…! という、性格最低オンステージとなりました。 こいつ児童書にいて大丈夫なんか…。

そんなヤベェのが暴れるなか、児童書としてのテーマは、「大翔と悠の友情」です! 真っ当だ! 大翔と章吾は少年マンガ的なライバル関係が強いのですが、大翔と悠については、等身大の「友達」という感じがあって、僕はこっちも好きだったりします。大翔にとって、悠の存在は大きいんだろうなと。

最後にこの巻で一番好きなセリフは、

「先生ね。常に真剣に子供と向き合うのが、教育者の務めだと思ってます。ゲームだって、子供の遊びだとバカにしない。真剣にやる」

「なので、ルールどおり、ほんとに処刑します。みんなも、遊びだからと気を抜かず、真剣に死を覚悟してください。いいですね?」

ある意味、一生懸命なヒトなんです…(?)


5巻『鬼だらけの地獄小学校』のチョイ裏話!

第一部のときは、鬼ごっこのいろんな遊び方を調べながら、内容を考えることがたまにありました。「ことろことろ」「ケイドロ」とモチーフに使ったので、ほかになにかないかな~と調べていて、これにしよう! と思ったのが、「増え鬼」です。 鬼がどんどん増えていく鬼ごっこ。 別名、「ゾンビ鬼」。

そんなわけでこの巻は、ゾンビのごとく、大量のオニに襲われる鬼ごっこになりました。 しかもその鬼はこれまでの鬼ではなく、鬼にタッチされちゃった(?)、クラスメイトや校長先生たち。見知った人たちに追いかけられるということで、ちがった怖さを目論んだ巻になっています。

ちなみにオニになった人間たちが相手の巻はもう1つあって、20-21巻になります。5巻では同学年の子供たちが相手でしたが、こちらでは、一番オニになってほしくない人間たちが…。 こちらもぜひチェックしてみてね!

ちなみに5巻は書きながら結構方向性を変えていて、はじめは、「大量のオニとサーチライトが照らすなか、監視をかいくぐって校長室に向かう、『メタルギアソリッド in 小学校!』」みたいなイメージでした。(メタルギアソリッドを知らない人はググってね)

オニとなってここぞとばかりに威張る先生がいたり、オニになれなかった担任の先生に騙されそうになったり、クラスメイトの性格分析で進行ルートを決めたり……本に収録されていないシーンが結構あります。
校門の見張りに立った先生たちを見て、大翔たちが作戦を話し合うシーンがこちら… ↓

「強行突破できないかしら?」

 葵が考え考えいった。

「校長先生と教頭先生くらい、2人でガツンとできるんじゃない?」

 先生たちが正気を取り戻して聞いたら、泣きだしそうな案だ。

「2人でって、それは、ヒロトとアオイで?」
「大翔と悠で。先生たちをガツンとやるなんて、そんな野蛮なこと女子にできるわけないでしょ?」
「ぼくにだってそんな野蛮なことできないよ」
「じゃあやっぱり、大翔しかないわね。校長先生と教頭先生をぶん殴ってきて、大翔」
「まかせたよ。校長先生と教頭先生をぶん殴ってきてよ、ヒロト」

 おまえら、おれをなんだと思ってるんだよ。

……いつもどおりだ。
クリーチャーとしての鬼とはちがう面白さを出したかったのだけど、いまいち怖くならないということで、このへんはカットして、ボスとの対決シーンが厚めの構成となりました。


巻『だれもいない地獄島』のチョイ裏話!

ひたすら鬼に追い詰められ、力尽きていた当時の針とらさん。
針「フルタイムで働きながら(当時)、書き続けるのキツイよう! 南の島にでもバカンスに行きたい…!」
担当「じゃあ南の島に行ってもらいましょうか。…大翔たちに!」
針「…俺は!?」

…というやり取りがあったというのは冗談ですが、これまでと違うことをやってみたいなと思い。作中でもそろそろ夏休みだし、思い切って遠くの場所を舞台にしようということで、離島に遊びに行く巻になりました! 島の名前が七里島なのは、取材で八丈島に行ったから…。海がきれいだった!

この巻のテーマの1つは、『不条理な鬼ごっこ』!
黒鬼が登場してから、策略とがっぷり組み合う展開が多かったため、ひさしぶりにひたすら理不尽に鬼に追われる話にしたいなと。
そんなわけで、島は生き物が軒並み鬼の、モンスターアイランドになってしまいました…!

もう1つのテーマは、『ひと夏の淡い恋』!
当時担当が、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」というアニメに感動した、という話を聞いていて、あ、そういうのも新鮮でいいよな! と思い。
君と夏の終わり 将来の夢 大きな希望 忘れない 10年後の8月 また出会えるのを信じて…

そんなわけで、『ひと夏の淡い恋』×『不条理な鬼ごっこ』な巻となりました! 酷い食い合わせだな! 夏の離島での子供たちの楽しいやりとりや、無人島サバイバル生活、ふしぎな女の子に、巨大甲虫カブトVSクワガタバトル! など、にぎやかで楽しく、ほんのり切ない巻になったかなぁと思います。

そして、児童書で「無人島で子供たちだけで生活」。これはもう、火をつけるのに苦労したり、食料を調達するのに四苦八苦したり、文明の利器がない状況ならではの、サバイバルの苦労や楽しさを描かなければならないでしょう! というわけで、石斧やイカダを作ったり、釣りをしたりすることに!

でもエサのミミズは鬼ミミズだし、釣れた魚は鬼ザカナだし……あげく苦労する大翔をよそに、ライバルは、やってみたらできたが? というノリでイカダを完成させているのでした。 これだから…! これだから天才は…! もっと苦労しろ…!

もうひとつ、遊びの路線からは、「ことろことろ」「ケイドロ」「増え鬼」ときて、今回は「だるまさんがころんだ」を取り入れています! 直径100メートルの鬼のテリトリーを、だるまさんがころんだで乗り越えて進め! このシーンは勢いがあって好きです。ヤツも乱入します。

作者がこの巻で一番お気に入りのシーンは、崖崩れに巻き込まれて絶体絶命の大翔が、カブトとクワガタの勝負の行方を気にしてるところ……です…! 小学生男子なので…!

ちなみにじいちゃんが大翔たちに毎年遊びにくるよう画策した甲斐あって(?)、つぎの年も大翔たちは七里島に遊びにいっています。 でもそのときはトラブルで島に着けず、不思議な村へ泊まることに……と、こちらエピソードは13弾、『とらわれの地獄村』でお楽しみください!


巻『さよならの地獄病院』のチョイ裏話!

前巻で、南の島へバカンスに行って、楽しかったな! そんじゃ、読者を刺しにいくか! 背中から! …そんな巻になります。

病気のお母さんの先がもう長くないことを知った章吾の前に、鬼がやってきて、運命を変えないか、と誘いを持ちかけるところからはじまるこのお話。 人の強い願いに悪魔が取引を持ちかけるのは、ホラーの定番です。 章吾はそこで即断をせず、大翔たちに相談しようとするのだけれど…?

この巻は、「友達を頼ろうぜ!」という大翔たち側が引き寄せる流れと、「一人で修羅の道をいけ」という鬼側の引き寄せる流れの狭間で、章吾が揺れ、孤独を囲っていくお話です。 鬼に狙われてハラハラ…というより、章吾と大翔たちのあいだの関係に、緊張と亀裂が生じていくお話になっています。

書く前は、児童書として、商業としてアリなのか…? とやや躊躇しました。 児童文庫は明るく楽しいのが基本…という考え方はあって、僕は「男の子が読むなら、主人公を追いつめるタイプの作劇の方がよかろう」とサスペンスに振ってやってきたけれど、これは追い詰める種類がちがうんですよね。

物語の中で傷を負うのは子供時代に大事なことじゃないかな、それがフィクションの役割だろう、という思いもあったのだけど……商業の枠の中で書く以上、そのへんは版元の考え方次第。 迷ってたのだけど、むしろ刺せ!心臓を!👹みたいに言われたので、遠慮なく刺しにいきました。

結果的に、読者にも受け入れてもらえたようで、みんなついてきてくれるんだな…とちょっと感動した記憶。 作り手が勝手に日和っちゃだめですね。 このあたりから、絶望鬼ごっこは、「鬼に追いかけられる話」だけでなく、「鬼のもとへ行こうとする友達を追いかける話」になっていきます。

さて、この巻では死神が出てきますが、三遊亭圓朝の落語の『死神』、およびその元ネタのグリム童話の『死神の名付け親』を元ネタにしています。 死神を騙して(やっつけて)大事な人の命を救う、その代償は? というテーマや、人の命をあらわすのにロウソクが出てくるのは、そこからですね。
 
けれど大翔たちの死神観は……少年ジャンプ! グリム童話の話に、「主人公はどうやって死神をやっつけるんだ?」と訊いて、少年ジャンプじゃない、と葵に諭されてしまいます。 バトル漫画以外も読め! 大翔!
「あたしもたくさん調べたけど、死神を倒す方法について、信頼できる情報はみつからなかった。まさか、人間に恋させることだ、なんていわないでしょう?」
「そのマンガは俺も好きだが」
葵と章吾も呼んでるマンガ。 みんな、DEATH NOTEを読もう。
 
 

The post チョイ裏話!(1~7巻) first appeared on 針とらBOOKS.

]]>
https://books.haritora.jp/blog/zetsuoni_inside_story1/feed/0
絶望鬼ごっこ最終巻『さらば地獄鬼ごっこ』https://books.haritora.jp/blog/post-885/https://books.haritora.jp/blog/post-885/#respondFri, 16 Aug 2024 12:31:25 +0000https://blog.haritora.jp/?p=885

]]>

絶望鬼ごっこもついに最終巻! 『さらば地獄鬼ごっこ』発売中です。

過去最大ボリュームで走り抜ける、絶望鬼ごっこの集大成巻。

これまで絶望鬼ごっこを応援してくれたみんな、ほんとうにありがとう!!

『絶望鬼ごっこ』紹介ページ

The post 絶望鬼ごっこ最終巻『さらば地獄鬼ごっこ』 first appeared on 針とらBOOKS.

]]>
https://books.haritora.jp/blog/post-885/feed/0
絶望鬼ごっこ中学生編12巻『鬼もおののく地獄列島』https://books.haritora.jp/blog/post-834/https://books.haritora.jp/blog/post-834/#respondMon, 12 Feb 2024 05:04:55 +0000https://blog.haritora.jp/?p=834

]]>

絶望鬼ごっこ 中学生編12巻『鬼もおののく地獄列島』2/22発売です!

ついに鬼門の封印がとけ、地上と地獄がつながってしまった!
桜ヶ島の街にもどった大翔と章吾が目にするのは、いろんな鬼があふれだす阿鼻叫喚の“百鬼夜行”…!
大災害に見舞われた街のなか、子供たちは、大人たちは、協力しあえるのか…?

絶望鬼ごっこも、今巻ふくめて、いよいよラスト2冊になります。
ノンストップでお送りするよ! よろしく!

 

そして、以前にりぼんに掲載されたみもりさんの漫画が、動画で公開されたよ!
こちらもチェックよろしく!

 

『絶望鬼ごっこ』紹介ページ

The post 絶望鬼ごっこ中学生編12巻『鬼もおののく地獄列島』 first appeared on 針とらBOOKS.

]]>
https://books.haritora.jp/blog/post-834/feed/0